Medtronicは心拍数監視サービスで患者ケアを向上
医療機器企業のMedtronicは、OutSystemsを使用して心臓病患者向けの監視・トリアージシステムを開発することで、病院スタッフの作業時間を削減し、患者ケアを向上させました。
世界最大手の医療機器メーカーであるMedtronicは、イノベーションに情熱を注いでいます。普段は常に顧客や患者に意識を向けているMedtronicですが、優れたユーザーエクスペリエンスが効率やCXの向上を支えるというという認識のもと、従業員エクスペリエンスの改善に取り組み始めました。
MedtronicはOutSystemsを活用し、80,000人以上の従業員にサービスを提供するパーソナライズされたポータル「Click」を開発しました。このアプリを使用することで、スタッフやマネージャーは業務の遂行に必要なものを特定、修正、学習、依頼しやすくなります。
課題
Medtronicは、複雑な難題にも対応する画期的な医療技術ソリューションを開発しています。テクノロジー、人体に対する深い理解、そして最先端の医学を集結させたイノベーションプロセスからは、これまでにないソリューションが生まれています。
患者を第一に考えたエクスペリエンスの提供には自信を持っていたMedtronicですが、従業員のユーザーエクスペリエンスにはまだ改善の余地がありました。「最大の課題は、複雑なITと、この業界特有の厳格なデータプライバシーとセキュリティコンプライアンスの要件でした」Medtronicのグローバルエクスペリエンスデザイン&イノベーション担当ITディレクターであるKatia Bartels氏はそう説明します。「当社には、変更が難しい多種多様なバックオフィスシステムがあります。そのため、従業員やマネージャーは複数のシステムを切り替えながら業務を行わなければならず、苦労していました」
「OutSystemsを導入したことで、バックオフィスシステムの改善やアップグレード、リプレースをすることなく、ユーザージャーニーを見直して洗練されたユーザーエクスペリエンスを提供できるようになりました。また、取り組むべき課題を迅速に見極め、価値実現までの期間を大幅に短縮できるようになりました」
システムを合理的で使いやすいものにすることが効率とCXの向上につながるということに気がついたMedtronicは、「クリックとの戦い」を開始しました。
90,000人以上の従業員がいくつもの使いにくいシステムにログインしていることを考えると、作業時間を週に数分程度減らしただけでも大幅な効率アップとなります。さらに、煩雑な作業がなくなれば何千人もの同僚のワークライフバランスも改善されます。
ソリューション
Medtronicは2018年からOutSystemsを使用し、心臓監視サービスである「FocusOn™」をはじめとする様々な患者デバイス監視リューションを開発してきました。そのため、同社の開発チームは短期間で従業員セルフサービスポータルを迅速に開発するにはOutSystemsが最適だと確信していました。Medtronicの要件は以下のとおりです。
すでにOutSystemsユーザーだったMedtronicは、このプロジェクトにアジャイルなアプローチで臨むことにしました。バックオフィスシステムのリプレースやアップグレードを行うことなく、フロントエンドのユーザーエクスペリエンスに直接取り組んだのです。
MedtronicがOutSystemsを選択した理由:
「OutSystemsを使用してローコードで作業するメリットは、フロントエンドから着手して、すばやく成果を得られることです」とBartels氏は言います。「大規模なバックオフィスシステムを改良、アップグレード、リプレースするのに2年以上も待つことはできませんでした。OutSystemsを使用することで、バックオフィスのテクノロジーには手を付けず、フロントエンドのプロセスとユーザーエクスペリエンスをすばやく変革し、標準化することができました」
「俊敏で段階的なアプローチにより、価値実現に要する期間の大幅な短縮、コストの削減、リスクの軽減といったメリットが得られました。冗長になっているバックオフィスシステムについては、時間をかけて徐々に改善、統合、廃止していこうと考えています」
成果
Medtronicは、すでに80,000人以上の従業員やマネージャーにClickポータルを展開しています。これにより、多様なITサービス、承認プロセス、リソースへのアクセスが大幅に簡素化されました。Clickは以下のような機能を備えています。
現在、チームはMedtronicのデバイスカタログとサービスカタログの作成に取り組んでいます。次回のリリースでは、デバイス申請(ノートPCや携帯電話など)、社内リソース検索といった新機能を追加する予定です。
Clickを導入したことで、新入社員や新しい役職に昇進した社員が受ける必要のあるトレーニングは大幅に減りました。Bartels氏は次のように説明しています。「以前は、誰に頼めばよいのか、どのシステムにアクセスすればよいのかといったローカルルールを知らないと業務に支障が出ることがよくありました。こうしたプロセスの多くを1箇所に集め、直感的に理解できるようにした結果、今ではトレーニングもほとんど要らなくなりました」
Medtronicが速度検証を行ったところ、Zoomトレーニングセッションを予約する新しいプロセスでは、所要時間が168秒から55秒に短縮されました。実に67%の削減です。全従業員がトレーニングセッションを1回予約したとすると、年間1,875時間の削減になります。
2022年のNext Stepセッションでは、Bartels氏がこのOutSystemsプロジェクトについて詳細を語りました。